しょうちゃんのつれづれ日記

日々のお仕事、趣味の将棋と音楽関連(ピアノ・作曲)、読んだ本の感想および社会問題や国内外の政治・経済等に対する批判的な論評(ショウノミクス)などの内容が中心になります。

しょうちゃんの読書日記

花火(吉村昭)

しょうちゃんの読書日記パート42は約1年振りで、前回に引き続き吉村昭の作品です。花火は後期の15編の短篇集で、文庫本などに収録されていて以前に呼んだことがある作品も幾つか含まれていました。初期のように人の死を題材にした小説ばかりではありませんが…

「冬の道(吉村昭)」

しょうちゃんの読書日記パート41は、吉村昭の短編小説で、人間の死が共通のテーマになっているようです。拘置所の刑務官や死刑囚、戦時中の空襲などが頻繁に登場し、非常に暗い、そして胸が締め付けられるような話題ばかりですが、読んでよかったと思いまし…

「破船(吉村昭)」

はてなブログの皆様、新年明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になり、感謝しています。本年もどうぞよろしくお願い致します。今年最初の投稿は、しょうちゃんの読書日記パート40で、吉村昭の「破船」です。以下少しネタバレですが、江戸時…

「震える牛(相場英雄)」

しばらくぶりの連載コーナーですが、しょうちゃんの読書日記パート39は、相場英雄「震える牛」です。居酒屋で起きた連続殺人事件の動機が大手SC(ショッピングセンター)全国チェーンの会社の食肉部門の揉め事に関係していることから物語が展開されるのです…

「孤宿の人(宮部みゆき)」

しょうちゃんの読書日記パート38は、宮部みゆきの長編時代小説「孤宿の人」です。幕末に長期間丸亀藩に幽閉されていた幕臣の鳥居耀蔵がモデルともいわれていますが、あくまで一面的な見方で、金比羅参りの途中に置き去りにされた9歳の少女の奉公先での過酷で…

「あやし(宮部みゆき)」

しょうちゃんの読書日記パート37は、前回に引き続き宮部みゆきの「あやし」です。彼女の時代小説は人物描写が細かく、この作品は時代を感じさせない怪奇ホラーのような印象を持ちました。 実は時代小説がメインの作家(藤沢周平など)はほとんど読んだことが…

「昨日がなければ明日もない(宮部みゆき)」

こちらも長い間隔が空いてしまいましたが、しょうちゃんの読書日記パート36は、宮部みゆきの「昨日がなければ明日もない」です。杉村三郎シリーズの5作目で、シリーズの途中から私立探偵になった主人公の杉村三郎が、日常のちょっとした事件に遭遇する短編集…

「うつ病九段(先崎学)」

長い間隔が空いてしまいましたが、しょうちゃんの読書日記パート36は、先崎学の「うつ病九段」です。プロ棋士の先崎学九段がうつ病で対局を休場、入院していた日々を描いたエッセイです。 一番感じたことは、うつ病は心の病気ではなく、脳の病気であること、…

「話すだけで書ける究極の文章法(野口悠紀雄)」

こちらも間隔が空いてしまいましたが、「しょうちゃんの読書日記パート35」は、先日図書館で借りて読んだ「話すだけで書ける究極の文章法 (野口悠紀雄)」です。私が音声入力(口述筆記)を試してみようと思ったのはこの本がきっかけで、仕事では定型文書や長…

「口笛吹いて(重松清)」

こちらも間隔が空いてしまいましたが、今年最初の「しょうちゃんの読書日記パート34」は、正月休みに読んだ重松清の「口笛吹いて」です。家族や学校、会社などの人間関係をテーマとした短編集で、男子高校生や中学生が主人公の作品が多いのですが、父親のリ…

「愚行録・崩れる(貫井徳郎)」

間隔が空いてしまいましたが、令和最初の「しょうちゃんの読書日記パート33」は、貫井徳郎の「愚行録」「崩れる」で、この人の作品を読むのは初めてです。 「愚行録」は一家惨殺の被害者の知人や友人、親戚などが記者のインタビューに答える、という形を取っ…

「白ゆき姫殺人事件(湊かなえ)」

こちらも間隔が空いてしまいましたが、本年初めての「しょうちゃんの読書日記パート32」は、病院での長い待ち時間に読破した「白ゆき姫殺人事件(湊かなえ)」です。ある会社の女性従業員がメッタ刺しの(灯油をかけられた)黒こげの遺体で発見されるという…

今野敏「去就(隠蔽捜査6)」

ほぼ一ヶ月ぶりの「しょうちゃんの読書日記パート31」は、今野敏「去就(隠蔽捜査6)」です。彼の警察小説を読むのは2作目ですが、他に横山秀夫などの作品を読んだことがあります。 それにしても、主人公の竜崎伸也(大森署長)のように原理原則を曲げず正論…

漫画「グラゼニ」

間隔が空いてしまいましたが、「しょうちゃんの読書日記パート30」は、趣向を変えて?漫画「グラゼニ」です。今年の夏頃から空き時間を見つけて読み、ようやく「オリジナル全17巻」「東京ドーム編全15巻」「パリーグ編1-2巻」を読破しました。 この漫画の内…

「泣き虫しょったんの奇跡(瀬川晶司)」

今回の「しょうちゃんの読書日記パート29」は、「泣き虫しょったんの奇跡」です。現在公開中の映画の予習?も兼ねて、読んでみました。 将棋のプロ棋士養成機関である奨励会を年齢制限で退会後に会社員(システムエンジニア)として働きながらアマチュア棋戦…

「その日のまえに(重松清)」

間隔が空いてしまいましたが、今回の「しょうちゃんの読書日記パート28」は、重松清「その日のまえに」です。 家族や友人など過去の出来事も含めて身近な人間の死をテーマにした短編集ですが、それほど重苦しく感じないのは、日常のありふれた出来事として淡…

「奨励会(橋本長道)」

だいぶ間隔が空いてしまいましたが、今回の「しょうちゃんの読書日記パート27」は、橋本長道著「奨励会」です。奨励会とは10代~20代の青少年?が多数在籍している将棋のプロ棋士を養成する機関で(女性もいますがごく小数です)、原則26歳までにプロになれ…

「天龍院亜希子の日記(安壇美緒)」

今週の「しょうちゃんの読書日記パート26」は、図書館本の「天龍院亜希子の日記(安壇美緒)」です。 人材派遣会社(ブラック企業?)で正職員として働く27歳の男性社員田町が主人公で、彼の職場での人間関係や毎日の仕事などの日常を描いています。天龍院亜…

「かがみの孤城(辻村深月)」

こちらも間隔が空いてしまいましたが、今年度初めての「しょうちゃんの読書日記パート25」は、「かがみの孤城(辻村深月)」です。不登校の女子中学生がかがみの中で出会った同じような境遇の中学生達と交流を深めていく物語ですが、スムーズに感情移入出来…

「人を嫌うということ(中島義道)」

今回の「しょうちゃんの読書日記パート24」は、中島義道著「人を<嫌う>ということ」です。「人を嫌っても人に嫌われても良い」と著者が主張しているらしい?ことは何となくわかりましたが、哲学者が書いた本はやはり難しいですね。作者が見聞きした事例な…

矢代秋雄のピアノ協奏曲と交響曲

今回の「しょうちゃんの読書日記パート23」は、趣向を変えて音楽視聴日記に変更します。矢代秋雄氏作曲のピアノ協奏曲および交響曲で、既に絶版となっていますが、Amazon出品の地方のレコード店から新品を定価以上の価格!?で購入しました。これほどまでに…

昨日の読書日記の続き

昨日(1/26(金))の「しょうちゃんの読書日記パート22」について、幾つかの質問を含めてそれなりの反響があったため、少し補足させて下さい。実は、私が村上世彰著「生涯投資家」の全ての内容を肯定的にとらえている訳では決してありません。例えば、巨万の…

「生涯投資家(村上世彰)」

間隔が空いてしまいましたが、「しょうちゃんの読書日記パート22」は村上世彰「生涯投資家」です。この本を読んで、世間が騒いでいた頃の彼のイメージ(欽ちゃん(萩本欽一)に風貌が似ていて「お金もうけして何が悪い」「聞いちゃったと言えば聞いちゃった」…

新年の挨拶と読書日記

新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。さて、今年最初の投稿は「しょうちゃんの読書日記パート21」で(定番?の小説ではありませんが)本日読んだ「データ分析の力-因果関係に迫る思考法」(伊藤公一朗著)になり…

「夜行観覧車(湊かなえ)」

連投ですみませんが、「しょうちゃんの読書日記パート20」は、これまた週末に読んだ湊かなえさんの「夜行観覧車」です(過去にTVドラマにもなりましたが、見ていませんでした)。 風邪で熱を出して寝込んでいたため、ずっと本を読んでいました(おかげ様で十…

「贖罪(湊かなえ)」

本日の「しょうちゃんの読書日記パート19」は、先週末に読んだ湊かなえさんの「贖罪」です。 小学四年生の女子児童が殺害され、その場に居合わせた(一緒に遊んでいた)同級生の4人の少女の数奇な運命について、順番に一人称で語ってゆく、彼女の作品に多い…

「島はぼくらと(辻村深月)」

だいぶ間隔が空いてしまいましたが、今回の”しょうちゃんの読書日記パート18”は、辻村美月さんの「島はぼくらと」です。 島からフェリーで本土の高校に通う4人の高校生の物語です。 水底フェスタにも通じる田舎の風景や濃密?な人間関係の描写はさすがだと思…

「おじさん的思考(内田樹)」

こちらも間隔が空いてしまいましたが、「しょうちゃんの2017読書日記パート17」は内田樹氏の”「おじさん」的思考”です。タイトルを見るギョッとしますが、著者特有の癖のある?現代社会に対する鋭い批評なども含めたエッセイになっています。以下に印象に残…

「オーダーメイド殺人クラブ(辻村深月)」

こちらも久しぶりですが、今回の「しょうちゃんの2017読書日記パート16」は辻村深月さんの「オーダーメイド殺人クラブ」です。中学生が主人公(信越地方?のある中学校が舞台)で殺人は起こりませんが(ネタバレですみません)、後味の悪さを少し感じました…

「日本の黒い霧(松本清張)」

間隔が空いてしまいましたが、今回の「しょうちゃんの2017読書日記パート15」は松本清張の「日本の黒い霧(上・下)」です。この作品では、「帝銀事件」や「下山事件」など終戦後の混乱期に実際に起こった事件が題材として多く取り上げられています。いずれ…