しょうちゃんのつれづれ日記

日々のお仕事、趣味の将棋と音楽関連(ピアノ・作曲)、読んだ本の感想および社会問題や国内外の政治・経済等に対する批判的な論評(ショウノミクス)などの内容が中心になります。

「奨励会(橋本長道)」

だいぶ間隔が空いてしまいましたが、今回の「しょうちゃんの読書日記パート27」は、橋本長道著「奨励会」です。奨励会とは10代~20代の青少年?が多数在籍している将棋のプロ棋士を養成する機関で(女性もいますがごく小数です)、原則26歳までにプロになれなければ(もしくは21歳までに昇段できなければ)「強制退会」という厳しい生存競争にさらされています。
この本はプロ棋士養成機関である奨励会の実態を描いたノンフィクションですが、著者の橋本氏は「サラの柔らかな香車」という将棋を題材にした小説でデビュー(小説すばる新人賞受賞)しており、著者自身もかつて奨励会に在籍していたそうです。
私自身、今度生まれ変わったら奨励会に入って将棋の棋士を目指したいと考えていたのですが、コンピューターが人間よりも格段に強くなってしまった現状では、プロ棋士に昔ほどの価値を見出すのが難しいような気も致します(将棋は取った駒を使えるため非常に複雑であり、こんなにも早くコンピュータが一流のプロ棋士に圧勝!するとは全く想像できませんでした)。
現在は、アマチュア強豪がプロ棋士になるための編入ルートと呼ばれる試験制度が存在するのですが、会社員などの安定した生活を捨ててまで挑戦するのは得策でないと考え、受験資格がありながらプロを目指さない人が増えてきていることには驚きを禁じ得ません。もしかしたら、収入面においても将棋棋士というのは魅力ある職業でなくなっているのかもしれませんね!
P.S.プロとアマの段や級は全く別物であり、奨励会入会の最低ランクであるプロ6級でもアマ4-5段(県代表クラス)の棋力が必要、と言われています。

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