しょうちゃんのつれづれ日記

日々のお仕事、趣味の将棋と音楽関連(ピアノ・作曲)、読んだ本の感想および社会問題や国内外の政治・経済等に対する批判的な論評(ショウノミクス)などの内容が中心になります。

共通テスト数学問題の感想(確率・統計分野)

先日の共通テスト数学問題の感想で、時間的な制約ゆえに確率・統計分野のみです。
まず、数学ⅠAの第2問(2)ですが、厚底シューズの普及がマラソン選手のタイム向上につながったかを普及前と普及後のデータから考えてみよう、という問題です。標準的な問題ですが、後半の平均0、標準偏差1に揃える標準化の部分は戸惑った学生もいたと思います。値が小さい方が優れているのですが、このことは問題文にも書かれており良心的だと思いました。
次に、数学ⅠAの第3問ですが、確率計算の典型的な問題です。問題文の意味を正確に把握する、という意味で、数学というよりは国語の長文読解の問題の側面もあると感じました。このような問題は計算量をコントロールしやすく、平均やバラツキの予想がつきやすいため、作成者側からすると出題しやすいのかもしれません。
 最後に数学ⅡBの第3問ですが、確率変数や確率分布という用語が明示的に使われている問題は、共通テストでは珍しいと思います。前半の正規母集団からの推測で、t分布が使えないため既知が前提の母標準偏差の代わりに標本標準偏差を用いて信頼区間を求める問題は、昨年度も出題されていました。後半の晴れの確率が1/4の時に毎週日曜の天気を続けてk週間(kは3以上)観測し、ちょうど3週間晴れが続く回数の期待値を求める問題は、場合分けや帰納的な考えが必要で、うまく誘導に乗れるかがポイントだったと考えます。
確率・統計以外の問題はざっと見ただけですが、全体的に一昨年のような難問はなかったと感じております。