しょうちゃんのつれづれ日記

日々のお仕事、趣味の将棋と音楽関連(ピアノ・作曲)、読んだ本の感想および社会問題や国内外の政治・経済等に対する批判的な論評(ショウノミクス)などの内容が中心になります。

裁量労働制のデータ捏造問題

間隔が空いてしまいましたが、今回のショウノミクス(Vol.58)は、「裁量労働制の方が一般労働者よりも勤務時間が短い?」というデータ捏造?(データ偽装?)の問題を取り上げます。
まず、一般労働者は残業時間しか調査しておらず、法定勤務時間の8時間を一律に加えて総時間を算出している、という点は確かに問題です。例えば、多くの公務員にみられるような8:30始業、17:15終業、12-13休憩というケースでは実質勤務時間は7時間45分となり、仮にこの数字を加えると総時間は9時間22分となって裁量労働制の9時間16分とほぼ同じになります。さらに一般労働者のデータで明らかにおかしい1日45時間等というレコードを削除すると、両者の差はないのかもしれません。ただし、企業毎の規定労働時間が分かれば、この数字を残業時間に合算すれば良いので、このデータは意味を持つ可能性もあります。
むしろ、重要なのは両者の属性や標本数だと思います。各レコードの年代、性別、地域、職種、企業規模などの情報があれば、これらを説明要因(入力変数)にした共分散分析や教師付き学習モデルが適用出来ますし、傾向スコアに基づくマッチングや二重頑健推定量(逆確率重み付き推定量)による比較も可能だと考えます。しかし、これらの情報が存在しない場合は一旦廃案にし、実態調査をやり直すべきではないかと感じます。
政府自民党の魂胆!は見え見えで「裁量労働制の対象を拡大して、残業代を支給せず無制限!に働かせたい企業の言いなりになる法案を通したい」という時代に逆行する暴挙!の裏付け?が欲しかっただけだと思いますので、働き方改革などというソフトな言葉に騙されてはいけないと思いますし、突っ込みどころ満載!ですので、私が代わりに質問に立ちたいくらいです。