しょうちゃんのつれづれ日記

日々のお仕事、趣味の将棋と音楽関連(ピアノ・作曲)、読んだ本の感想および社会問題や国内外の政治・経済等に対する批判的な論評(ショウノミクス)などの内容が中心になります。

高度プロフェッショナル制度の問題点

だいぶ間隔が空いてしまいましたが、今週のショウノミクス(Vol.65)は、政府与党が強引に成立させようとしている高度プロフェッショナル制度(通称:高プロ法案)についてです。
これまでも何度か断片的に取り上げていますが、コンサルティングや研究開発など年収1075万円以上の専門職に対して労働時間の規制を撤廃する、という私に言わせれば「とんでもない法案」です。もしこの法案が成立してしまうと、ずさんな労働調査データのせいで今回提出を断念した「働き方改革関連法案」の中核をなす残業時間の上限規制やインターバル規制(残業後の終業から始業までに一定のインターバルを設定する方法)を含む労働基準法改正案などが全部ふっとんでしまうほどの恐ろしい?破壊力!を持っています。
というのは、法案成立後に政財界は適用職種の大幅な拡大と基準年収の大幅な引き下げを目論んでいるからです。現にS崎前厚労相は「小さく生んで大きく育てる」などと意味深なことを言っていますし、経団連幹部も「将来的には年収400万円以上(の労働者)を対象にしたい」と発言しています(もしそうなると、新入社員などを...除きほとんどの会社員に対して残業時間の規制がなくなり(すなわち無制限に働かせ放題)、残業代が一銭ももらえないことになります)。
また、適用職種の拡大についても、裁量労働制の対象範囲の広がりを見るまでもなく、一旦成立してしまうと営業職や企画職などの汎用的な仕事も含まれるようになる、と私は考えています。さらに恐ろしいことに、一部の新聞やTVなどのメディアが使っていた「残業代ゼロ法案」などのネーミングも、政府Z民党に睨まれたためか?最近はめっきり見かけなくなってしまい、A倍内閣が争点隠しに躍起になっていることが、すなわち会期末のどさくさに紛れて成立させてしまおうとしゃかりきになっていることが見て取れます。
野党の皆さんに対しては「おそば」の問題(もり・かけ疑惑の追求)よりもはるかに重要性の高い「高プロ法案」の成立を阻止するため、問題点の議論など全力で取り組んでほしいです。