しょうちゃんのつれづれ日記

日々のお仕事、趣味の将棋と音楽関連(ピアノ・作曲)、読んだ本の感想および社会問題や国内外の政治・経済等に対する批判的な論評(ショウノミクス)などの内容が中心になります。

残業代ゼロ法案

間隔が空いてしまいましたが、今回のショウノミクス(Vol.44)は政労で合意に至らなかった「残業代ゼロ法案」についてです。お騒がせ?のニュースが多くあり、どの話題を取り上げるか迷いましたが、これまでの反省も踏まえて、社会や経済の問題を政治・国際関係などの分野よりも優先させていきたいと思います。
まず、政府の原案は年間104日の休日を与えるというものですが、年間52週なので祝日を除いて土日を休みにしたら104日になりますので、これはひどいですよね(週休2日制で祝日は全て出勤の計算になるので、少なすぎるのではないでしょうか?)。
次に連合の修正案ですが、上記に加えて(残業後!の終業から始業まで一定の間隔を空ける)インターバル規制を導入する、勤務時間の上限を定める、2週連続の休暇を与える、追加の健康診断を実施する、という4つから1つ以上選択する、というものです。これもおかしな話で、例えば年2回の健康診断を行うと勤務時間を青天井?に出来る、というのは当然ですが働き過ぎの是正になりません。さらに、従業員個々が希望するものを選ぶというのは現実的でなく、企業や事業所単位で会社側に都合の良い方法を選択することになれば、働き過ぎの抑制効果はほとんど期待出来ないのではないでしょうか?そもそも、効果や性質の異なる方策を同列に論じること自体が奇妙だと感じます。
仮にこの法案が成立すれば、政府・自民党が次に何を目論んでいるか、基準年収(1075万円)の引き下げおよび対象職種(金融ディーラー(ファンドマネージャー等)、アナリスト、コンサルタント、研究開発など)の拡大、というのは鈍感な私にさえ容易に想像出来ますので、連合幹部がこのことを認識していないはずはないと思います。働き方改革というからには、働く人々(労働者)の利益・健康を最優先に考えるべきではないでしょうか?