しょうちゃんのつれづれ日記

日々のお仕事、趣味の将棋と音楽関連(ピアノ・作曲)、読んだ本の感想および社会問題や国内外の政治・経済等に対する批判的な論評(ショウノミクス)などの内容が中心になります。

大学授業料などの「出世払い奨学金」について

今回のショウノミクス(Vol.66)は、政府・Z民党が検討している大学授業料等の「出世払い」奨学金についてです。これは大学などの高等教育の授業料や入学金等を在学中に国が立て替え(おそらく無利子で!)、卒業後個々の所得などに応じて返済していく仕組みです。私は、以下の2つの理由により、この方針に反対です。
1点目は、学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金制度との重複や類似点が多い、という点です。現在の奨学金の無利子貸与の割合を大幅に増やし、かつ必要以上の額を貸し付けない、すなわち、入学金、授業料、生活費など、国立vs.私立、自宅生vs.下宿生のパターンに応じて、モデル金額を設定する、さらに卒業後の無理な返済を迫らないようにし(現状の強引な取り立てを中止する)、個々の事情に応じて毎月(毎年)の返済金額や完済までの返済期間を柔軟に設定する、そうすれば「出生払い」奨学金を創設?しなくとも十分ではないか?と私は考えます。
2点目は、現在住民税の非課税世帯に限定している「給付型」奨学金(現行の入学金および授業料の減免措置も含む)の対象者を大幅に増やしていくことが...、「出世払い奨学金」よりもはるかに効果的ではないか?と考えています。そうすると、1点目とも合わせて一定規模の税金投入は避けられないため、全ての高等教育機関を対象とするのは現実的ではなく、自助努力を怠っている組織等を除外するなどの線引きは必要かと思いますが、一律の「出世払い」奨学金よりは有効だと感じています。経営難の大学救済のためにこのような制度を創設、実施することは本末転倒ですし、「出世払い」奨学金の原案では世帯年収の制限が1,100万円と緩くなりすぎていることも問題だと思います。
最後に、話は変わりますが、大学の授業料というのは不思議なことに横並びになっているのですね。文系と理系、そして学部による違いはありますが、私立でも大学間の差異はかなり少ないように感じました。稿を改めて議論したいと思いますが、このような状況は本当に適切なのだろうか?と疑問に感じます。