しょうちゃんのつれづれ日記

日々のお仕事、趣味の将棋と音楽関連(ピアノ・作曲)、読んだ本の感想および社会問題や国内外の政治・経済等に対する批判的な論評(ショウノミクス)などの内容が中心になります。

知床の観光船事故について

今回のショウノミクス(Vol.116)は、人災ともいわれている知床遊覧船の痛ましい事故について取り上げます。まずは、安全性の観点から、必要な規則を速やかに行うべきと考えます。一例ですが、外部との連絡手段として衛星電話や無線ではなく携帯電話でも可となっていますが、今回のように運行ルートがエリア外*になっている場合は意味をなさないと思いますので、即刻改正が必要です(*ドコモ以外では電波が通じなかったとのこと)。
その上で、(船体のひび割れを指摘できたかもしれないため)検査体制の強化も重要ですが、原則として性善説に基づいているため、専門知識不足で安全軽視、収益第一の経営者が多数存在している以上、全ての事業者を漏れなく検査する、というのは人手不足で無理があると思います(軽井沢のバス事故の際にも同様の議論がなされていたと記憶しています)。むしろ、沿岸漁業などと同じように、組合などでルールを定めて実効性のある管理をするのが現実的ではないでしょうか。今回も、複数の船が同じ海域に出ていたら防げた可能性が高いと感じます。
最後に1つ、気になった点ですが、今回犠牲になった方々のほとんどは個人客だったのでしょうか。個人で危険な業者を見抜くのは難しいという意見も出ていますが、一般論な傾向として、総じてツアー客の割合が高いのではないかと考えます。もしそうであれば、悪い評判を耳にしていながら費用を抑えるために問題が多い業者を選んだ可能性もあり、今回の事故に限ったことではありませんが、責任の一端はコスト主義のツアー会社にもあると思います(知床遊覧船の社長や船長らの責任が一番重いのは、当然ですが…)。
P.S. 大手新聞社のWEB記事を読みましたが、今回の事故の犠牲者は、ツアーなどではなく、どうやら個人客のようです。