しょうちゃんのつれづれ日記

日々のお仕事、趣味の将棋と音楽関連(ピアノ・作曲)、読んだ本の感想および社会問題や国内外の政治・経済等に対する批判的な論評(ショウノミクス)などの内容が中心になります。

小中高等学校等の一斉休業について(続編)

今回のショウノミクス(Vol.90)は、前回に引き続き「小中高等学校等の一斉休業」について取り上げます。A倍首相の記者会見や参院予算委員会での答弁からも分かるように、科学的根拠は皆無で場当たり的な思い付きということが露呈してしまったように感じますし、日本経済に与えるダメージは計り知れないと考えます。その上で、本日は次の四つの項目について議論します。
まず、これまでの調査で、致死率が高く重症化しやすいのは高齢者や循環器や呼吸器、心臓病などの基礎疾患を持っている方ということが分かってきており、小中高校生等の症状は比較的軽いです。また高齢者にうつす可能性という点においても、子供たちよりも満員電車で通勤している会社員などの方が、はるかに高いのではないでしょうか?閉鎖しなければならないのは学校ではなく、あくまで一例ですが、パチンコ店や公民館(のサークル活動)、デパートの待合いスペースだと考えます。
次に、数百万人が感染したといわれる2009年の新型インフルエンザ大流行の際には、感染者に占める児童や生徒の割合が高かったのですが、それでも一部地域の学校閉鎖にとどめています。新型コロナの潜在的な感染者は公表数の100倍とも1000倍とも言われていますが、それでも数十万人程度で毎年のインフルエンザとは一桁違います。ワクチンや特効薬が開発出来ていない、同一時期に再感染リスクが存在するというインフルエンザとの違いはありますが、全国一斉というのは対費用効果の観点から疑問に感じます。
3番目は、総理の要請はあくまでお願いであり法的根拠はない、とのことです。しかしながら、現実問題として、要請に逆らうのは学校から感染者が出た時に政府の支援を受けられなくなるのではないかと考える向きもあり、勇気がいることと思います。個人的には、休校せずと決めた松江市出雲市などの自治体に拍手を送りたいです。
最後に、「非常事態なのだから批判や検証は後回しにして協力すべきだ」というコメントが散見されます。間違った決断に対して止めろと言えないのでは、方針転換や軌道修正の機会を逸してしまうこともになり、本当におかしいと思います。比較対象として適切でないかもしれませんが、日本がどのようなプロセスを経て太平洋戦争へ、そして敗戦に突き進んでいったのか、今一度振り返ってみる必要があるのではないでしょうか。
なお、本日は割愛しましたが、折を見て、今回の方針が日本の経済活動に与える具体的なダメージについても議論したい、と考えています。