しょうちゃんのつれづれ日記

日々のお仕事、趣味の将棋と音楽関連(ピアノ・作曲)、読んだ本の感想および社会問題や国内外の政治・経済等に対する批判的な論評(ショウノミクス)などの内容が中心になります。

ひよっこの時代考証

今週のショウノミクス(Vol.45)は少し趣向を変え、NHK朝の連ドラ「ひよっこ」を通じて、昭和40年前後の社会情勢や生活環境について見ていきたいと思います。
まずは集団就職について、東北各県から列車で上野駅にというイメージが強いですが、総数から言うと中四国や九州地方の学生が多かったようです。また「金の卵」という言葉からは中卒を連想しますが、当時の高校進学率は都市部で7-8割、農村部で5-6割位だったようで、主人公のみね子と同じ高卒の方が多かったみたいです。就職先の斡旋に際して、このドラマに限らず高校の先生が登場することが多いですが、職安の人間が結構暗躍していたようです。さらに、今で言うブラック企業がかなり多いように感じられますが、首都圏の学生は比較的条件の良い会社(工場など)に就職することが多かった反面、地方からの上京組は賃金等も含めて条件の良くない企業で働くことが多かったようです。
当時は高度成長の真っ只中でしたが、昭和40年だけは例外で、東京五輪特需後の不況で中小企業の倒産が目立った年ですので、ひよっこの設定もある程度史実を反映しているのかもしれません。なお、物価については2017年現在の8%位ではないか、と考えており、そうすると「すずふり亭」で一番高いメニューのビーフシチューは500/0.08=6,250円となり、当時のみね子には手が出ないという状況にも納得できますし、最初に就職した「向島電機」での初任給120,000/0.08=150,000円(手取りは6,000/0.08=75,000円)で生活していくのが大変、という状況も理解出来ます。
いずれにせよ、当時の人々は(終戦から20年しか経っていないという事情はあると思いますが)現在よりも総じて経済的な状況が厳しく、生きていく上での苦労が多かったように感じられます。