しょうちゃんのつれづれ日記

日々のお仕事、趣味の将棋と音楽関連(ピアノ・作曲)、読んだ本の感想および社会問題や国内外の政治・経済等に対する批判的な論評(ショウノミクス)などの内容が中心になります。

大学無償化に関する政府方針について

本日のショウノミクス(Vol.68)は、先日明らかになった「大学無償化」に関する政府方針を取り上げます。これまでに発表されていた方針との一番の違いは、支援対象を住民税非課税世帯(年収270万円)から年収380万円まで引き上げたことで(この差分については所得に応じて給付型奨学金の額を段階的に定める予定)、給付対象者数が拡大され、国公立大学のみならず、私立大学や短期大学、専門学校なども対象になるようです。
この方針には賛成ですが、問題はここからで、2点列挙します。1点目は、無償化対象となる大学に「外部理事の登用」を義務付けている点です。現在国公立大学では文科省出身者の理事の数が増えていますが、私立大学では必ずしもそうなっていません。そこで、私立大学が無償化対象に選ばれるためには「文科省OBの天下り」を積極的に受け入れるように!と無言?の圧力をかけているようにも感じられます。
2点目は「実務経験がある教員が、卒業に必要な単位数の1割以上の授業科目を担当する」という条件です。これも「実務経験」の定義が明らかになっておらず、「卒業要件の1割以上」という条件も曖昧な部分が多いです。うがった見方かもしれませんが、これも「文科省からの出向を積極的に受け入れよ」「文科省の意に沿った人材を(一例ですが、研究業績や教育経験などの有無にかかわらず)教員にどんどん登用せよ」ということかもしれません。
無償化の対象者拡大自体は良い面が多いと考えていますが、どさくさに紛れて奇妙な条件を付け加えないでほしい、と思います。

www.nikkei.com