しょうちゃんのつれづれ日記

日々のお仕事、趣味の将棋と音楽関連(ピアノ・作曲)、読んだ本の感想および社会問題や国内外の政治・経済等に対する批判的な論評(ショウノミクス)などの内容が中心になります。

一斉休校終了、アベノマスク、現金給付について

首都圏・関西圏・福岡県に緊急事態宣言が発せられましたが、今回のショウノミクス(Vol.93)は、学校の一斉休校終了、アベノマスク、現金給付の3点の政策について議論します。
まず、小中高等学校等の一斉休校終了(原則授業再開)についてですが、感染の広がりに関する地域差が大きいため、やむを得ない措置と思います。むしろ「殿、ご乱心!」で流行拡大前の3月に一斉休業してしまったことが、波及効果に疑問があり、かえすがえす残念です。

次に、アベノマスク(全世帯に布製マスク2枚を郵送で配布)ですが、これも郵送費や封筒詰めの手間と人件費を考慮すると、対費用効果の観点から疑問に感じます。まずは医療機関に行き渡るようにして、増産の上流通網を整備してドラッグストアで誰もが購入出来るようにすることが先決ではないでしょうか?
最後に一定の条件を満たす世帯への現金30万円配付ですが、住民税非課税に相当する収入(単身で約100万円、4人家族で250万円程度が目安)への減少、もしくはその2倍程度への収入半減というのはカバー率が低く、極めて不十分です。さらに、この施策は消費税率引き下げとの間接的な効果の比較が可能です。
例えば、年間給与530万円前後の世帯における可処分所得は約400万円で、可処分所得に占める消費割合は75%強の300万円程度になります。このような世帯が支払う年間消費税額は1割の30万円ですので、仮に年収530万円の世帯に現金30万円を給付した場合、一年間に限り消費税をゼロに換算することと等しくなります。従って、支給額が多少は少なくなるにせよ、4人家族のモデルケースでは年収530万円程度にまで支給対象を広げる必要がある、と私は考えます。上記の試算は非常にラフですが(一部は消費者庁によるデータを利用)、追って時間を見つけてもう少し詳しい統計解析をしてみたい、と考えている次第です。