しょうちゃんのつれづれ日記

日々のお仕事、趣味の将棋と音楽関連(ピアノ・作曲)、読んだ本の感想および社会問題や国内外の政治・経済等に対する批判的な論評(ショウノミクス)などの内容が中心になります。

消費増税に伴う「全商品での2%還元」の検討について

だいぶ間隔が空いてしまいましたが、今回のショウノミクス(Vol.76)は、消費増税に関連して、政府(経済産業省財務省)が「中小店でのキャッシュレス決済を対象に全商品での2%還元の検討に入った」というニュースについての問題点を指摘します。対応策は示しませんが、奇妙な案だと感じています。
まず第一に、消費者向けのビジネスを展開する全ての中小事業者を対象にする、という点です。中小事業者の線引きをどう定義するか、という点も本質的ですが、何よりも中小店ほど現金払いしか取り扱っていない、すなわちクレジットカードなどのキャッシュレス決済を認めていない、という点です。ポイント還元のためのキャッシュレス決済システム導入には多大な手間とコストがかかりますし、何よりもクレジットカード会社に支払う手数料が馬鹿にならないため、システム設の置やカード会社への手数料などの費用の一部を国が補助するにせよ、還元分の2%はすぐにふっとんでしまうのではないでしょうか?
次に、消費者の観点からとらえると、学生や子供などの未成年を除き、年齢が上がるほど現金払いの比率が高くなり、高齢者ほどクレジットカードなどを所有していない人の割合が高くなる、という点です。本来最初に救済すべき高齢者などが恩恵を受けられない、という点は大きな矛盾であると考えています。
最後に、軽減税率が適用される食料品などの生活必需品も2%還元の対象とする方向で検討、とありますが、そうするとこれらの商品の消費税率は6%となり、税収額にも影響を与えます。従って、下手をすると消費増税の効果が少なくなり、近い将来に更なる税率引き上げを実施などという状況も考えられます。
以上の3つの理由により、この方針は矛盾点が多く、波及効果も極めて限定的であるため、即時撤回すべき、と私は考えます。