しょうちゃんのつれづれ日記

日々のお仕事、趣味の将棋と音楽関連(ピアノ・作曲)、読んだ本の感想および社会問題や国内外の政治・経済等に対する批判的な論評(ショウノミクス)などの内容が中心になります。

「PD-1」と「オプジーボ」について

かなり間隔が空いてしまいましたが、今回のショウノミクス(Vol.74)は「PD-1」の発見でノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑先生に関連する、がん治療薬の「オプジーボ」について取り上げます。開発・販売元の小野薬品工業は医科向けに特化しているメーカーで市販薬をほとんど出していないため、一般的な知名度は意外と低いですが、老舗の大手製薬会社です。
受賞にちなんで新聞等でも紹介されているように、画期的な新薬である一方、薬価が超高額で有名になったこともあり、2014年の認可後現在までに4分の1(73→17:単位は省略)に下げられており、小野薬品の利益が圧縮されたとも噂されています。
オプジーボの特殊事情(効果がある患者さんが20-30%程度と言われており、現状では実際に投与してみないと効き目があるかどうか分からない)による側面が大きいのかもしれませんが、海外メーカーによる後発品も出てきており(中には特定部位のがんに対してオプジーボより効果があるといわれる薬もある)今後このような画期的な発明に対する実用化(新薬の開発)を行うに当たり、もはや一企業でリスクテイク出来るような状況ではないのかもしれません。
日本の総力を上げて、すなわち国が主導して進めていかなければ、PD-1の時のプロセスを見るまでもなく、ベンチャー企業も含めてどこも手を上げないのではないでしょうか?